「石川九楊大全」開催 後期【状況篇】言葉は雨のように降りそそいだ

石川九楊大全

前期【古典篇】 遠くまで行くんだ
会期 2024年6月8日(土)〜6月30日(日)
会場 上野の森美術館

後期【状況篇】 言葉は雨のように降りそそいだ
会期 2024年7月3日(水)〜7月28日(日)
会場 上野の森美術館

 書家・石川九楊の全容を一望する個展が、上野の森美術館にて、前期・後期合わせて約2カ月にわたり開催されている。
 前期【古典篇】では「歎異抄」「源氏物語」や「徒然草」、中国の「李賀」の詩など古典に取り組んだ作品を中心に展示。
 後期【状況篇】では、聖書の言葉を題材にした若き日の代表作「エロイ・エロイ・ラマサバクタニ」や谷川雁、吉本隆明、田村隆一などの日本の現代詩、そして河東碧梧桐の109の句、さらには現代社会の混沌と病理をえぐる最新自作詩など、九楊不変のテーマである「言葉の表現」としての作品群を一挙に公開する。
 アートバーゼル香港2024で公開され、話題になった大型作品「世界の月経はとまった」や、聖書を書いた85mの大作「エロイエロイラマサバクタ二又は死篇」の展示も興味深い。

 言葉と格闘し続け、「書」とは何かを問い続けた一人の書家の軌跡が、厳選された作品300点に集約される一大展観も後半。どうぞお見逃しなく。

ざぼんに刃をあてる刃を入るゝ
24×34 2021年
夜も鳴く蟬の灯あかりの地に落る声
24×34 2021年
エロイ・エロイ・ラマサバクタニ
270×341 1972年
「ヨーロッパの戦争」のさなかに──人類の未熟について
95×60 2023年

※作品はすべて【状況篇】出品作

※すべて【状況篇】展示風景
プレス内覧会にて、報道陣の写真撮影のために、
「エロイ・エロイ・ラマサバクタニ」の前に立つ石川九楊氏
(2024年7月2日)

■石川九楊(いしかわ・きゅうよう)プロフィール
 書家。1945年、福井県生まれ。京都大学法学部卒業。京都精華大学教授、文字文明研究所所長を経て、現在、同大名誉教授。「書は筆蝕の芸術である」ことを解き明かし、書の構造と歴史を読み解く。評論家としても活躍し、日本語論、日本文化論は各界にも大きな影響を与える。現在までに書作品1000点・著書100点以上を世に送り出した。
 サントリー学芸賞・京都府文化賞功労賞・毎日出版文化賞・日本文化デザイン賞・京都新聞大賞文化学術賞・大佛次郎賞・京都市文化功労者。

■チケット購入は、こちらより→「石川九楊大全」公式サイト

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