文房四宝だいすき帳 vol.13 貂の毛の筆も使ってみよう

墨に遊び、書作を楽しむとき、なくてはならない文房四宝(筆墨硯紙)。
書室のなかでいつも一緒にいてくれて、眺めているだけでもしあわせな気持ち。
大好き(だいすき)な文房四宝とその周辺のあれこれについて、気ままに綴っていきます。

墨に遊び、書作を楽しむとき、なくてはならない文房四宝(筆墨硯紙)。書室のなかでいつも一緒にいてくれて、眺めているだけでもしあわせな気持ち。大好き(だいすき)な文房四宝とその周辺のあれこれについて、気ままに綴っていきます。

vol.13 貂の毛の筆も使ってみよう

 以前、イタチ毛の筆に注目したときがありましたが、そのときに、貂(テン)の毛の筆を取り上げることができませんでしたので、今回、ご紹介しましょう。貂は、イタチ科テン属の哺乳類。イタチはイタチ科イタチ属ですが、貂も属は違うものの、同じイタチ科ということで、イタチの仲間といってよいでしょう。イタチは漢字で「鼬」ですが、貂は漢字で「黄鼬」とも書きます。
 ニホンイタチの体長は、雄の場合で30〜40センチほどですが、それに対して、貂は50センチを超える場合もあり、イタチよりも大きく、また尾も長く太いようです。筆には、イタチと同じように、尾の毛が使用されています。イタチの仲間ですから、やはり毛先に弾力と粘りがあり、先がよく利きます。ちなみに、貂の中にクロテンという種類があり、ユーラシア北部に生息しているのですが(北海道にも亜種のエゾクロテンが生息)、「セーブル」と呼ばれるのは、本来、このクロテンの冬毛のこと。
 さて、下は、そんな貂毛と羊毛の兼毫筆です。羊毛の墨含みのよさに、貂毛の毛先の弾力が加わり、滋味豊かな独特の線を生み出します。

上は、3号(10.5mm×51mm)。
2号(12mm×60mm)や4号(9.5mm×45mm)もある。
貂毛と羊毛の兼毫筆。
その名も「五貂五羊」。

 ところで、イタチの仲間ということでいえば、コリンスキーのことも思い出します。仲間というか、コリンスキーとはシベリアイタチ(タイリクイタチ、チョウセンイタチ)のことなのでした(「游墨舎ちゃんねる」の中の質問コラムの記事も参照してみてください)。
 そんなコリンスキーの筆も、ここで、あらためてご紹介しましょう。下は、コリンスキーの毛を使用した筆のシリーズです。コリンスキーの毛も腰が強く、鋒先が鋭いので、切れ味のよい線を書くことができます。楷書や行書などの漢字はもちろん、仮名書きにも使用できて、画筆としても人気です。

コリンスキー毛の「栄花」シリーズ。
1号(13mm×66mm)から9号(6.0mm×28mm)まであり、
半紙サイズから条幅サイズまで対応。

(協力・写真提供/栄豊齋)

◉商品のお問い合わせ
栄豊齋(電話 03-3258-9088)

◉参考文献
『世界大百科事典』(改訂新版、平凡社、2007年)

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