墨に遊び、書作を楽しむとき、なくてはならない文房四宝(筆墨硯紙)。
書室のなかでいつも一緒にいてくれて、眺めているだけでもしあわせな気持ち。
大好き(だいすき)な文房四宝とその周辺のあれこれについて、気ままに綴っていきます。
墨に遊び、書作を楽しむとき、なくてはならない文房四宝(筆墨硯紙)。書室のなかでいつも一緒にいてくれて、眺めているだけでもしあわせな気持ち。大好き(だいすき)な文房四宝とその周辺のあれこれについて、気ままに綴っていきます。
vol.11 楷行草の三体が書きやすい兼毫筆
前回に引き続き、何を書くかということに注目して、今回もいくつかの筆をピックアップしてみましょう。前回はかなの細字をテーマにしましたが、今回は楷書、行書、草書の漢字の三体に注目してみます。
まずは下の3本をご紹介。3本とも羊毛と馬毛(尾脇、天尾)などによる豊橋製の兼毫筆です。
①の「栄楽」は、羊毛、尾脇、鹿毛を使用。②の「超品兼毫」は、羊毛と天尾を使用。いずれも安心して楷行草の三体に使用できる扱いやすい兼毫筆です。③の「黒天兼毫」は、黒天尾を芯に使った少し硬めの筆。これも楷行草の三体が書きやすい兼毫筆ですが、すっきりとした綺麗な線質を出すことができるので、「九成宮醴泉銘」などの楷書の古典の臨書にも適しています。
上の「研心」は兼毫の熊野筆。手頃な価格で、初心者の方にもおすすめです。
上の「不動」も兼毫の熊野筆(仿古堂)。特に腰が強く、半紙から条幅まで、楷行草の三体に満遍なく使用することができます。
以上、いずれも扱いやすい兼毫筆をご紹介しました。もちろん、兼毫筆でなければ、楷行草の三体を書くのに向かないということではありませんので、念のため。羊毛などの柔毛の筆から、馬毛などの剛毛の筆まで、どれも使いこなせば、表現力に富んだ楷行草、それぞれの作品を書くことができます。また創作ではなく臨書がテーマであれば、臨書する古典に合った筆をぜひ探してみましょう。
(協力・写真提供/栄豊齋)
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