
今回は26作品が栄誉に輝いた
第76回毎日書道展(主催:毎日書道会・毎日新聞社)の東京展が、7月9日~8月3日、国立新美術館にて開催される(7月18日~24日、東京都美術館でも展示)。開催に先立ち初の試みとして、国立新美術館展示会場にて記者会見が行われた。

向かって右から、下谷洋子(実行委員長)、徳増信哉(毎日書道会専務理事)、山中翠谷(公募審査部長)、
千葉蒼玄(総務部長)、増子哲舟(陳列部長)、藤井剛(毎日新聞社事業本部長)の各氏
冒頭、実行委員長の下谷氏から、今年から北陸展が東京展に移管されたこと、従来東京都美術館に展示されていた国際高校生選抜書展(書の甲子園)入賞者作品を、国立新美術館で展示したことなどの報告があった。さらに、毎年行われている会員賞受賞作家による席上揮毫会、毎日賞受賞作家による作品解説会に加え、今年から新しい試みとして毎週水曜日に幹部作家によるギャラリートークが行われること、同館研修室にて拓本をとるワークショップが開かれることなどが示された(イベント詳細はこちら)。

続いて今展の作品の傾向について以下のような説明があった。
漢字作品は多字数が少なくなり、少字数が増えた。そのため、会場全体が明るい雰囲気になった。近代詩文書作品は、師風によらず個性を出してきたものが目につき、バラエティに富んだ面白い展開になっている。前衛書は、極端な表現ではなく白と黒のバランスを美しく表現する志向性が窺われる。
次に毎日書道会専務理事の徳増氏から、次回展より鑑別と賞選考の審査を一元化し、5月20日~24日を審査日とすることが報告された。その後、質疑応答を経て解散となった。
資料として公開された出品点数と賞数によると、一般公募は22,246点で、昨年より792点減。会友・役員を合わせた全出品数は25,864点である。
また、文部科学大臣賞には山中翠谷氏の大字書「益壽」が選ばれた。

山中翠谷「益壽」
いずれの書道展でも言えることであるが、毎日書道展は第70回展以降、出品者数が漸減傾向にある。それに即した現実的な対応を、今回記者会見という場を設けて公開したことは意義があろう。7部門を擁し、多様な現代書が展観されることが特長の毎日書道展が、時代の風を受けて将来に向けての布陣を巧みに敷き、多くの共感者を得ることを願うものである。(f)
※東京展ののち、関西展、東海展、中国展、四国展、東北仙台展、北海道展、東北山形展、九州展と巡回する。スケジュールは毎日書道展のページへ。
◉毎日書道展ページ https://www.mainichishodo.org/syodoten/