木雞室名品《游墨春秋》 第13回 史晨碑

史晨碑(ししんひ)
169年(後漢・建寧2年)

『史晨前碑』巻頭

 漢代の波磔の美しい「八分隷」のひとつである。原石は山東省曲阜の孔廟に『礼器碑』『孔宙碑』『乙瑛碑』といった隷書の名碑と共にある。碑石の前面と後面の両方にそれぞれ時を隔てて別々に銘文が刻されていることから、『史晨碑前後碑』とも称される。前碑も後碑も同じ筆者によって書かれたようである。後碑の方が文字がやや大きく、筆画の抑揚も大きい。八分隷の中庸的な趣の書である。
 この家蔵本は羅振玉の内簽のある擦墨拓の明拓本である。墨色、拓調、保存ともに見事で、鮮やかに字画が拓出されている。前碑、後碑とも同じ拓調の『史晨碑』の善本のひとつであろう。

(木雞室蔵併記)

『史晨前碑』巻頭
『史晨前碑』より「穀春秋行禮」
(取拓年代の新旧を判断する際に「穀」「秋」が注目される)
『史晨後碑』巻頭
『史晨後碑』巻頭
羅振玉の内簽
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