今日は、日比野博鳳先生のかなのお教室です。
教室がはじまると、
生徒さんは、順番に先生の机のところまで来て、
個別に指導していただきます。
この日は、はじめての生徒さんもいました。
筆の持ち方から教えていただきます。
筆の持ち方の説明がおわると、
次は、書くときの姿勢。
最後に、筆の動かし方(書き方)を学びます。
ベテランの生徒さんにとっても、
基本を振り返るのは、大切な機会。
自分の順番を待っていたほかの生徒さんたちも、
次々に近くまで来て、
先生の言葉に熱心に耳を傾けていました。
生徒さんの多くは、
作品制作に取り組んでいます。
教室には、清書した作品を二枚ほど持参します。
自分の順番になったら、
書いてきた作品を壁に貼り、先生に見ていただきます。
良いところや注意するべきところを伝えると、
先生は、お手本を書いていきます。
生徒さんは、目にしっかりと焼き付けるように、
先生の筆の動きを追いかけます。
書き上げると、よく見えるように広げて、
ポイントを解説していきます。
まったく新しいお手本を
その場で書いていただくこともあります。
この日、日比野先生は、
ある生徒さんの指導のなかで、
縦形式の紙面に、和歌三首をまとめるお手本を
書きはじめました。
床に下敷きを敷き、紙を広げ、
和歌を確認すると、
流れるように書き進めていきます。
書き上がったお手本は、
生徒さんが新たに取り組む課題になります。
先生がお手本を揮毫するときには、
自然に生徒さんが集まってきます。
自分が取り組む題材とは違っていても、
先生が筆をふるう様子を間近で見ることは、
とても貴重な勉強になります。
ときには、書き上げたお手本を壁に貼り、
生徒さんが書いてきた作品と対比しながら、
朱筆でポイントを書き入れて、
解説を加えていきます。
生徒さんの作品は、題材や形式もさまざま。
この作品は、
正方形状の四紙を横に並べるスタイルです。
美しい作品を書くことができるように、
かなの学びが深まるように、
日比野先生の細やかな指導のもと、
お稽古の時間はゆっくりと流れていきます。
(取材日/2022年4月)