ブックレビュー 増田孝著『イチからわかる 古文書の読み方・楽しみ方』(成美堂出版)

増田孝著
『イチからわかる 古文書の読み方・楽しみ方』
A5判 208頁
成美堂出版 2024年4月刊
定価=本体1600円+税

 游墨舎ちゃんねるの連載でもお馴染み、増田孝氏の新著が刊行されたので、ご紹介したい。古文書は難しくて読めないというのが大方の見方だろうが、本書ではその概念をいかにして覆せるかという意気込みが見て取れる。
 具体例を示しながら、初級編から中級編へと順を追って内容がステップアップしていくので、自然に読み解きの約束事やコツが身についてくる。とはいえ、古文書の読み解きは一朝一夕にマスターできる世界ではない。本書は、古文書の世界に怖がらずに足を踏み入れるための最初の一歩を誘う役割を担う一冊、との位置づけが相応しいだろう。

 著者から特別に以下のコメントをいただいた。
 「『イチからわかる 古文書の読み方・楽しみ方』という、私にとってはじめての入門書を上梓しました。この類の本は多数ありましょうが、“楽しみ方”まで、心をこめて手ほどきした本は見つかりません。私はもう半世紀近く、自分の研究材料として、書をできるかぎり手に入れ、今なおそれを手もとに置きながら、日本人の書とは何か、考えて続けています。本書を読まれる方に「書を楽しむ心」が伝わることを願っております。楽しみながら読んでいただけるなら、著者としてこれ以上の喜びはありません。」
 ぜひ一読をお勧めしたい。

(f)

◉成美堂出版 関連ページ
https://www.seibidoshuppan.co.jp/product/9784415333939

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