春敬記念書道文庫の古筆 第2回 藤原佐理筆 国申文帖

春敬記念書道文庫より、平安古筆の名品をご紹介する連載。
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藤原佐理筆 国申文帖
紙本墨書 一幅
平安時代 10世紀

31.0×105.6cm
冒頭

 平安時代中期を代表する能書、藤原佐理の自筆の詫び状である。伊予権守在任中に申文(上申書のこと)に「奉」の字を一字抜かしたこと、正月の大饗を早退した非礼、そして叔父の関白藤原頼忠の娘が円融天皇の女御として入内する際の女車にお供をしなかったことの3件について詫びている。
 宛名の丹波守は藤原為雅(藤原頼忠の家司)。天元5年(982)、佐理39歳の時に為雅を通じて叔父の頼忠に宛てた書状である。淡墨を用いた自由闊達な筆遣いで、線の抑揚や流れは仮名美を感じさせる。書き出しの一文から「国申文帖」と呼ぶ。また、本文中に「女車」という一語が見られることから「女車帖」という名称もある。藤原佐理の真蹟には懐紙が1点、書状が5点知られているがそのうちの1点である。

◉所蔵/一般社団法人書芸文化院 春敬記念書道文庫
◉解説/飯島太比呂

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