十七帖 じゅうしちじょう
4世紀 東晋時代
餘清斎本
明代に刻された集帖の中で『停雲館帖』『鬱岡斎帖』と並んで、『餘清斎帖』は、書として秀れた歴代の名跡を数多く精刻した名帖とされる。この法帖は戦前から珍品とされ、山本竟山翁はこの法帖を入手したことに因んで「餘清斎」の印を刻して室名としたほどである。日本に将来されている全套の旧拓本は数部であろう。この『十七帖』は『餘清斎帖』の残本であり、『十七帖』部分だけの一帖である。清朝前期の旧拓本である。近年、この『餘清斎帖』の原石が安徽省歙県で発見され、新拓本が流布されている。
(木雞室蔵併記)