日本と中国、それぞれの国で書は学ばれています。
学びのスタートである〈子ども〉の習い方を知れば、より文化の違いが見え、理解も深まるはず。
お互いのよいところを取り入れて、子どもたちの才能を大いに刺激してみましょう。
vol.5 ★中国編 篆刻
中国のとある「書法班」(書道教室)では本格的な篆刻を指導している。5歳の子どもも小さな手に適した道具ではなく、大人と同じものを使っている。日本でも篆刻の指導はあるが、扱いやすい彫刻刀や消しゴムで作られた印材を用いて、怪我や事故を予防しつつ体験的に行うことが多い。一方中国では、本格的な芸術を目指すためには多少の怪我なら仕方ないという考え方もあるそう。
印を刻すことはもちろん、側款も施し、さらに側款拓を採って作品に仕上げる指導もしている。前回の硬筆と同様に、子どもの時から専門的な方法を教わるのが中国流だ。