●日本★中国〈子ども〉書事情 vol.4 硬筆

日本と中国、それぞれの国で書は学ばれています。
学びのスタートである〈子ども〉の習い方を知れば、より文化の違いが見え、理解も深まるはず。
お互いのよいところを取り入れて、子どもたちの才能を大いに刺激してみましょう。

vol.4 硬筆

子ども硬筆1
子ども硬筆2
●日本●
筆を使う前に、鉛筆を用いて〈かきかた〉を学ぶ
鉛筆を正しく持つことは難しく、種々の矯正器具もある

日本の小学校や書道教室では、筆を持ち始める前の訓練として、柔らかな鉛筆の芯で文字の書き方や筆圧のかけ方などを学ぶ。日本語は、漢字、ひらがな、カタカナ、時にはアルファベットを交えて書くため、全て同じ文字の大きさだと読みにくい。そこで漢字を大きく、それ以外を少し小さく書くのがコツとなる。漢字を書くことに慣れていない子どもは、ついひらがなが大きくなってしまうよう。

硬筆コンクールなどは各県や書道団体で行われていて、児童書写教育の中では重要な位置を占めている。 

●日本●
小学2年生の硬筆作品
低学年は漢字、ひらがなのバランスを考えて書くことを学ぶ
マス目に程よい大きさに入れるのも訓練のひとつ

中国の書道教室でも硬筆を用いた指導が行われている。ただし、日本のように、硬筆で〈かきかた〉を学ぶというよりも、硬筆は硬筆書法、毛筆は毛筆書法とそれぞれ別のカテゴリーになっている。毛筆と同じく米字格を使って習うことが多く、マス目の中央に小さめに書くことが好まれる。日常で使う簡体字は横書きのため、ノートで繰り返し漢字を練習する時も横書き。

さらに芸術的表現が高まると、古典の文字を臨書したり、古典書風をもとに作品制作をすることもある。中国の小学生の硬筆作品を検索してみると、大人と同じような書きぶりで驚く。硬筆用紙自体も単なるマス目の印刷でなく、書作品を感じさせる加工が施されている。

中国子ども硬筆作品
★中国★
9歳の子どもの作品
大人と同様の指導が行われている
儿童硬笔书法作品欣赏(一) (qq.com) より転載
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