笹原宏之編著
『なぞり書きで脳を活性化 画数が夥(おびただ)しい漢字121』
B5判変型 128頁
大修館書店 2023年1月刊
定価=本体1800円+税
書家にとって漢字の知識は必要不可欠であり、多くの時間と労力を費やして美しい字形の習得に励んでいる。また、書の視点からではなく単に漢字が好きというマニアも存在する。漢字の世界は広大で奥深く、知的好奇心をくすぐる存在といえよう。
ここに紹介したのは、漢字を「画数の多さ」という視点で捉え、夥しい画数の漢字だけを掲載した1冊。複雑怪奇な漢字を見て、それをなぞり書きすることで脳活に役立てようという企画である。著者は、早稲田大学総合学術院教授で、多くの漢字にまつわる著書がある「漢字ハカセ」笹原宏之氏。
大漢和辞典掲載の5万字から、最大画数64画〜32画の121字を抽出し、簡単な語釈とUnicodeを明示。実際に書いて楽しめるなぞり書き用のマスを大きく配置している。蘊蓄コラムも楽しい。昨年刊行されて以来、好評を博し、その人気ぶりから第2弾が6月頃に刊行される予定だという。
なぞり書きは、鉛筆やボールペンに限らない。書に携わる人なら小筆で挑戦してみるのも乙なもの。以下は、京都外国語大学非常勤講師の安岡素子さんの手になるもので九成宮醴泉銘をイメージしたとか。最後の緑色の紙はガラスペンで書いたもの。インスタグラムで発信中である。それぞれの楽しみ方で、夥しい画数の漢字を楽しんでみてはいかが。
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