土橋靖子氏が日本芸術院の新会員に決定

土橋靖子氏

 日本芸術院(野村萬院長)は2月22日、新しい会員の候補に12人を決めたと発表した(3月1日付で文部科学相が発令)。今回の候補者を含めると計109人(定員120人)になる。
 2020年度まで会員のみで新会員候補を推薦する方式であったが、閉鎖的との指摘を受け、2021年度から選考に外部有識者を加えることになった。日本芸術院によると、今回の選考では会員と有識者会議が計57人を推薦し、選考委員会や会員投票を経て候補を17人に絞り込んだが、そのうち5人が辞退したということだ。
 書の分野からは、日本芸術院賞受賞者で、現在、日本書芸院理事長をはじめとする要職にある土橋靖子氏が新会員なった。そのほかの11名の新会員は以下(敬称略)。
 中谷芙二子(写真・映像)、小川洋子(小説・戯曲)、筒井康隆(小説・戯曲)、萩尾望都(マンガ)、今井信子(洋楽)、野平一郎(洋楽)、尾上墨雪(舞踊)、勅使河原三郎(舞踊)、宮城能鳳(舞踊)、吉田都(舞踊)、樫山文枝(演劇)。
 土橋氏は、かな書のみならず、かなと調和する「和様」漢字を手中にし、漢字かな混然となった「和」の世界を構築してきた。「美しいかな表現」を深く追求するとともに、「現代の書のありよう」を俯瞰できる視野の広さを持ち合わせている。これから新たな場を得て、時代の風を受けながら、書道界を良い方向に切り開いていくことを期待したい。

「牟良佐伎」
(31×18)
「蟋蟀の声」
(90×170)
「道法自然」
(95×59×4)

土橋靖子略歴
1956年、千葉生まれ。私立桜蔭高等学校から東京学芸大学に進み同専攻科修了。祖父である日比野五鳳と叔父日比野光鳳に師事。1992年、98年日展特選受賞。2003年から現代書道二十人展メンバー。日展会員賞受賞、日展内閣総理大臣賞、日本芸術院賞受賞。平成18年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。個展5回。著書多数。
現在、日展理事、読売書法会常任総務、日本書芸院理事長、日本書道文化協会常務理事、全国書美術振興会理事、蛙園会代表、市川市文化振興財団理事長、芝桜会主宰。

◉芝桜会ホームページ https://www.shiou-kai.net
◉蛙園会ホームページ https://www.sho-aenkai.net

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