書道に関するおバカな質問 vol.14 書家はなぜ作務衣を着るの?

疑問を持ちつつ、なんとなくそのままにしていることってありませんか?
游墨舎スタッフの素朴な(おバカな)疑問を、その道のプロフェッショナルの方々にお尋ねしてみました。
いただいた回答をもとにひとつの考え方として示しました。
たいして役には立たないでしょうが、まずはご参考までにどうぞ。

疑問を持ちつつ、なんとなくそのままにしていることってありませんか? 游墨舎スタッフの素朴な(おバカな)疑問を、その道のプロフェッショナルの方々にお尋ねしてみました。いただいた回答をもとにひとつの考え方として示しました。たいして役には立たないでしょうが、まずはご参考までにどうぞ。

なぜ作務衣姿が多いのか、理由があるなら知りたいです。

Q 書家はなぜ作務衣を着るの?

 書家の方々の作品制作の様子を、雑誌やネットの動画などで拝見しています。いろいろな姿勢や、筆の持ち方など参考になるのですが、ふと疑問が湧いてきました。男性の方の作務衣着用率が高いなーと。なぜ作務衣姿が多いのか、理由があるなら知りたいです。(40代、サービス業)

A
 作務衣は皆さんご存知のように、狭義では禅宗のお坊さんたちの作業着のこと。シンプルで体を動かしやすいところから、お寺関係に関わらず着用されるようになってきました。百貨店でも父の日のプレゼントとしてオススメしたりしているので、部屋着としての利用もあるのでしょう。
 それで、書家に作務衣姿が多いのはなぜか、ですが、男性の書家のアイコンとしてちょうどよいからではないかと推察します。一般の方にとって女性書家は、(たぶんですが)きれいな着物姿でかな文字をさらさらと書いているといったイメージでしょうか。一方、男性の書家のイメージというと、どうも輪郭が定まらない気がしますね。
 そこそこ大きなサイズの作品揮毫の様子を動画で撮るとして、書家は何を着れば一番それっぽいか。制作現場にネクタイ姿はそぐわないし、袴も大仰。かといってTシャツにスウェットとかジャージでは安っぽすぎる。そこで、硬すぎず柔らかすぎず、和風で職人っぽさも漂う作務衣が雰囲気づくりに選ばれるのかなと思います。外見だけでなく、禅宗の僧侶の文字は墨跡と称され珍重されていることや、禅と書道との親和性も選ばれる理由のひとつだと思います。
 それはそれとして、次代を担う若い書家の皆さんは、ぜひジャパンブランドの衣装をまとい、クールにおしゃれに世界に日本の書を発信してほしいとも思います。もちろんクールな書があってこそのことですが……。 

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