三清書屋コレクション寄贈記念展「筆にこめた想い―民のなかに文化がある」

三清書屋コレクション寄贈記念展
「筆にこめた想い―民のなかに文化がある」
会期 2024年2月23日〜4月14日
会場 筆の里工房(広島県熊野町)

 三清書屋(さんせいしょおく)コレクションは、兵庫県三木市在住の書家である公森仁(こうもりひとし)氏が三十余年の歳月をかけて文房四宝を中心に蒐集したコレクションで、このうち、毛筆コレクション453点が令和元年に熊野町へ寄贈された。
 「民のなかにこそ、文化がある」という公森氏の考えで、中国宋代から現代に至る民間の筆匠(ひっしょう:筆職人や筆舗のこと)や文人の名が刻まれた筆が系統的に蒐集されている。筆の専著で知られる、梁同書『筆史』、市川米庵『米庵蔵筆譜』、木村陽山『筆』などに記される筆匠の筆が網羅的に収められるほか、皇帝に献上したと考えられる貢筆や愛玩の対象となった装飾筆なども含まれ、当時の文化や文人趣味の一端を知ることができる貴重なコレクションといえる。
 本展は、「筆匠がこめた想い」「文人がこめた想い」「装飾筆―見て楽しむ」「書画と筆―使って楽しむ」の4つの章で構成される。「筆匠がこめた想い」では、時代を遡りながら筆匠の名が刻まれた筆を紹介しており、時代や地域、職人ごとの特徴や傾向をみることができる。
 このほか、復元筆や、3次元データ化された筆に、直接的、間接的に触れられる体験型展示も用意されている。

展示風景

◉筆の里工房ホームページ
 https://fude.or.jp

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