日本●中国★〈子ども〉書事情 vol.2 展覧会の作品を書く

日本と中国、それぞれの国で書は学ばれています。
学びのスタートである〈子ども〉の習い方を知れば、より文化の違いが見え、理解も深まるはず。
お互いのよいところを取り入れて、子どもたちの才能を大いに刺激してみましょう。

vol.2 展覧会の作品を書く

●日本●
小学校5年生(11歳)
展覧会用の作品(半切4分の1)を揮毫中。筆は半紙用を使用。
普段より大きな字粒になるため、立って作品全体を見ながら書く

日本の書道教室(学校教育も含め)では、展覧会や書き初め、書道コンクールなどのイベントがあり、普段よりも大きな作品をつくることがある(半切サイズなど)。大きな毛氈を敷いて床で書くこともあり、体全体を使って書く。

評価はさまざまな観点があるものの、書写教育的な正しい筆づかいや、字形の美しさなどが重んじられ、中には「子供らしい表現」や「元気に書かれている」ことが高評価につながることもある。

★中国★
中国の子どもたちに書法芸術の伝承を促すため、毎年行われる「米芾杯」

中国にも青少年向けの大規模な書展がいくつも行われている。「米芾杯」は、北宋の米芾が居を構えた江蘇省鎮江市で行われるコンクール。応募要項によると、書体書風は自由で、紙のサイズは天地180センチ、横97センチ以内。小字作品も多く書かれるためか、1文字のサイズが2センチ以内と規定がある。写真の子どもは篆書を揮毫。コンクールには篆刻部門もあり、入選した作品は刻した原石も展示される。

上位の「米芾賞」の受賞者には『米芾書法全集』が贈られ、種々の書道交流イベントなどに参加する権利が与えられる。

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