ほんとうの書道初心者しか、見ないでください!
「子どものときに筆を持ったきり」という方、大歓迎。
みなさんと墨や筆の縁を再びつなぐための、手ならい講座です。
第9回 「人」でハライを学ぶ
こんにちは、案内役の古志庵(こしあん)です。
普段は子どもに指導してます。
小学3年生から「先生はいつ右ハライをできるようになったの?」と聞かれました。
思うように引けないときも多く、「今も勉強中だよ」と答えると「そうなの!?」と。
「先生の先生も勉強中なんだよ」と話すと大喜び。
毛筆を始めたばかりの小学3年生と同じように指導する側もずっと学びの途中です。
では今回も始めましょう。
ミモザさんと忠太郎さんの右ハライ
第8回の課題は右ハライでした。
受講生のみなさんの書き方を見て、おさらいしていきます。
受講生のミモザさんは「少しずつ太くするのが難しく、ハライの下側が丸くなってしまいます」と話し、繰り返し練習しました。

ハライの部分が丸い
線にふくよかさがあり、おおらかなムードで書けました。
ハライ部分にもう少し筆圧を加えて、鋭さを出すとより締まったハライの形になりそうです。
一番下のハライは鋭さが出ていますね。
次は忠太郎さんの書いたハライです。

ハライの先端まで線質に強さがある
適度な筆圧で書かれ、徐々に線を太くして引き抜く動きができています。
左側のハライの形は唐代の名家・顔真卿(がんしんけい)に似ていて、実は忠太郎さんは第6回のハネでもそうでした。
持ち味にもなりますから大切にしつつ、精度を高めて書き方の幅も広げていきましょう。
大将さんの右ハライ
大将さんの右ハライは、線の上側もカクっと折れたような形になっています。

ハライの上側も折れた形になっている
書いているところを見てみました。

大将さん、ハライ部分で筆管が手前に倒れています。
ハライの線の上側もカクっと折れた形をしているのは、これが原因ですね。
下図は前回もご紹介した、滑らかな左ハライを書くための筆の動きを示したものです。

滑らかな右ハライを書くには筆先の動きが大切
Aは筆先の通る位置を示し、ここを滑らかに動かすことがコツだと説明しました。
大将さんはハライの下側の形に意識を高めていて、筆管が手前に倒れてしまったようです。
右ハライの上側に意識を持って書くように伝えると下記のように変化しました。

線の上部に滑らかさが出てきた
だいぶ右ハライの筆づかいに慣れてきましたね。
頭で理解したことが手にあらわれるには反復練習が必要で、簡単に思い通りにいかない筆の面白さでもあります。