ほんとうの書道初心者しか、見ないでください!
「子どものときに筆を持ったきり」という方、大歓迎。
みなさんと墨や筆の縁を再びつなぐための、手ならい講座です。
第7回 筆を引き上げる―左ハライ
こんにちは、案内役の古志庵(こしあん)です。
前回の特別編では書き初めの楽しみ方をご紹介しました。
第6回のハネを復習してから、今回の課題の左ハライを書いてみましょう。
ハネのおさらい
まずはハネの筆づかいを再確認。
時計の10時から11時の間あたりに向けて筆先を置き、まっすぐに下ろして一時停止。
筆毛の弾力を使って、ハネの方向へ筆先をまとめていきます。

縦をまっすぐ下ろして一時停止したとき筆先をS字にたわませると、はねる方向に動かしやすいです。
筆先を持ち上げて細くまとめる動きは、左ハライにも通じます。
数枚書いて手ならしをしてみてください。
ハライの種類
書道の技法を「トメ、ハネ、ハライ」と呼び、なかでもハライは存在感のある部分です。
「人」を例にすると、左側に向かう左ハライ、右側に向かう右ハライ、どちらも収筆が細くまとまっていますが、形は違いますね。

左ハライには長めに書く場合と、「千」の1画目のような短いハライもあります。
平がな「う」「つ」「り」などの収筆も左ハライの動きと同じ。
左側に向かって筆先をまとめて引き上げる動きを学びます。
左ハライの書き方
ハライと聞くと、筆を刀のように一気呵成に左側に抜き切るイメージを持つかもしれません。
しかし実際は筆をゆっくりと持ち上げていく動きです。

書き方の短い動画をご覧ください。

起筆は時計の10時から11時の間あたりに向けて置き、筆の弾力を使って筆毛全体を左側に向けて動かします。
カタカナの「ノ」を書くイメージで、最後は筆先をまとめてゆっくりと持ち上げていきます。
左ハライの上側を筆先が通っていることにも注目です。

起筆の打ち込みと向きに注目
筆先を引きずったような線になっていないか
注意点は起筆の打ち込みと向き。
書き始めを打ち込むと強い線が引けるうえ、筆先の動きをコントロールしやすくなります。
上図のように時計の1時方向から入ると筆先を引きずる書き方になり、今回目指す左ハライの筆づかいからは離れてしまいます。

筆の腹が出るとのっぺりとした線に(上)
スピードが速すぎると線が荒れる(下)
左ハライの最後、上図の2つのようになっていませんか。
左に行くにしたがって筆が倒れると、筆毛の中央(筆の腹)が出てきてのっぺりとした線に。
スピードが速すぎるとバサついて痩せた線になります。
書の線にはあえてこういった変化を加える場合もありますが、基本は筆毛が垂直に紙に当たる「直筆(ちょくひつ)」の筆づかいを目指しましょう。