左向きのハネ
次は左側にはねる書き方です。
右側と同じで一番下まで来たら筆毛の弾力をいかして一時停止し、左側に持ち上げて、最後は一つにまとまるように引き抜きます。

ビュンと一気に筆を動かすように見えて、実際ははねる方向を見定めて筆毛をまとめて持ち上げています。
ハネは次に繋がる部分でもあり、乱暴にはねあげて筆がバサバサの状態では次の画を書くたびに筆先を直さなくてはなりません。
現時点ではパーツごとの練習ですが、いずれ複数の文字を書くようになりますから、最低1文字は筆先を直さずに書く意識を今から持っておきましょう。
受講生の忠太郎さん、大将さんのハネ

左のハネが苦手に見える
大将さんのハネは重みがあり、右向きはよく書けていますが、左向きは苦手そうです。
右利きの場合、左向きのハネは筆を左前に持ち上げるため、腕が身体にぶつかり動きにくい場合も。
特に半紙の左側に書くときはなおさらです。
書く位置を調整して、腕を動きやすくするのも解決法のひとつです。

下段は顔真卿のハネのよう!?
忠太郎さんの左右のハネは力強く書けています。
半紙下段、右のハネの下側がコブのようになっていて、唐代の名家・顔真卿(がんしんけい)の書きぶりを思わせます。
最初に示した手本の形とは少し異なるところもありますが、これはこれで良し!
なにしろ昔の人の書きぶりを見ていると、あらゆるハネの形や書き方がありますから。
今回示している書き方もごく一般的な例です。
では次回は最初にハネのおさらいをして、次のハライに進みましょう。
おつかれさまでした。
硯の縁に墨が溜まりますので、よく洗ってくださいね(片付け方法はこちらをご覧ください)。
◉クリアできたら次に進もう!
▢ 縦画をまっすぐ引けた
▢ 筆の弾力を使って停止し、左右に筆先をまとめて上げることができた
▢ 筆先をまとめる意識を持てた
ハネの先っぽをひとつにまとめるように動かせましたか?
頭で理解したことがなかなか手にあらわれず焦りますが、ゆっくり行きましょう。
→第7回に続く