★初心者限定★書道講座【大人の手ならい はじめの一歩】 第6回 筆を持ち上げる動き―ハネ

ほんとうの書道初心者しか、見ないでください!
「子どものときに筆を持ったきり」という方、大歓迎。
みなさんと墨や筆の縁を再びつなぐための、手ならい講座です。

第6回 筆を持ち上げる動き―ハネ

こんにちは、案内役の古志庵(こしあん)です。
連載も第6回を迎え、みなさんも筆に親しんできたでしょうか。
頭で理解したことを実際にできるようになるまでには時間がかかります。
気長に練習して、成功率を高めていきましょう。
前回は縦画の「鉄柱(てっちゅう)」「懸針(けんしん)」「垂露(すいろ)」について学びました。
収筆の形が異なりましたね。
それでは今回はハネに挑戦です。

ハネのある字

ハネの手本

ハネには左右両方あります。
右のハネには「衣」の4画目、「長」の6画目など。
カタカナの「レ」「ル」のようにハネ部分を長く書いたり、ひらがなの「は」の1画目のように柔らかく書く形もありますね。

右側のハネにも種類がある

左のハネは「丁」「小」「月」など漢字に多く見られます。
また、「子」「刀」「乙」「戈」といった曲線や斜め線からはねるというパターンも。

これらのハネはまた別の機会に!

今回は最も基本的な、まっすぐ引いた縦画から左右にはねる書き方をご紹介します。

右向きのハネ

まずは右側にはねる書き方を短い動画で見てみましょう。
横から撮りましたので、筆毛の動きに注目です。

起筆は、時計の10時から11時の間あたり向けて筆先を置き、まっすぐに引きます。
下まで来たら筆の弾力を使って立ち止まり、右側に筆を持ち上げながら筆先をまとめます。
最初は「レ」のようにハネの部分が長くなってもかまいませんので、筆先がひとつになるまで持ち上げてみましょう。

受講生の忠太郎さん、大将さん、ミモザさんも挑戦

受講生の忠太郎さんの書くところです。

弾力を使った一時停止が大切!

忠太郎さん、筆の弾力を使って右方向へ持ち上げる予備動作ができています。
筆先が少し手前に傾いていますが、この程度ならOK。
傾きすぎると手首を痛め、ハネの動きもやりにくいのでご注意ください。
下は受講生の大将さんとミモザさんが書いた右側のハネです。

大将さんのハネ
「はねようと思うのですが、何だか短いですね。
どうしてでしょう?」

大将さんは引き抜くタイミングが早くてハネが短くなっています。
まずは「レ」のような長いハネを書く気持ちで筆を動かしましょう。

ミモザさんのハネ
「最初は止まることに意識しすぎて、
立ち止まったままになってしまいました」

ミモザさんは、左上のハネはタイミングを逸していましたが、下段右のハネは筆先をしっかりまとめてはねることができました。
止まったところに墨溜まりができているところを見ると、やや墨量が多く止まる時間も長いようです。
ちなみに書道は半紙右上を書き始めとする場合が多いですが、ハネが次の画へと続く箇所だと考えると、右向きのハネの練習は左から右へと書くほうが自然かもしれません。

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